コモチマンネングサ

コモチマンネングサ(ベンケイソウ科)[子持万年草]

むかごをつくって殖えるのでこの名がある。マンネングサとはこの仲間の総称で、多肉質で乾燥に強いことを表す。

田や畑の縁、道端など日当たりのよいところに普通に生える多肉質で軟らかい越年草。茎は長さ20-60cmで地をはい上部は斜上して高さ5-20cmになる。走出枝は出さない。
葉は無柄で基部の葉は対生し卵形、上部の葉は互生し長さ1-1.5cm、幅2-4mmのへら形で円頭~鈍頭で基部は柄状。葉腋にふつう4-6個(2-3対)の葉からなるむかご(珠芽)をつくり、それが梅雨時以後に落ちて根付き、ほぼそのままの状態で越冬して早春に芽を出す。
茎の先で3-4本に枝を分け、集散花序に直径0.8-1.2cmの星形の花をつける。花の下に1個ずつ葉状の苞がある。花は5数性で、5個の萼片は離生し、長さ2-4mmの披針形~倒披針形で花時には斜上する。5個の花弁は離生し、濃黄色で長さ4-5mmの線状倒披針形~狭披針形で先はとがり、花時には平開する。雄しべは10個で花弁より短く、裂開直前の葯は濃黄色、花粉は通常できない。蜜腺は長さ0.6mmの倒卵形で半透明な白色。雌しべは5個で長さ3-4mm、子房は長さ2.5-3mmで基部は合生する。花柱は長さ約1mm。
種子はできず、専らむかごで殖える。

似ているメキシコマンネングサは原産地不明で葉は線状楕円形。ツルマンネングサは古い時代に中国・朝鮮半島から渡来したといわれ、茎につく葉が3個ずつ輪生し、コモチマンネングサと同様に結実しない。
花期:5-6月
分布:本(東北地方南部以南)・四・九・沖
撮影:2016.5.31 神奈川県横須賀市
コモチマンネングサの花
花は5数性で雄しべは花弁の2倍数。雌しべは5個あるが不稔。 2016.5.31 神奈川県横須賀市

コモチマンネングサの上部の葉
上部の葉はへら形。 2020.6.4 横浜市栄区

コモチマンネングサのむかご
葉腋に現れてきたむかご。ふつう2対4個の葉がある。 2016.5.31 神奈川県横須賀市

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