コクラン

コクラン(ラン科)[黒蘭]

名は、花が黒っぽく見えるのでついたもの。

常緑樹林の林下に生える多年生の常緑地生ラン。偽球茎は円柱状で多肉質、前年までの偽球茎が枯れずに並んで残る。全国に生えるクモキリソウの仲間だが、本種の分布は暖地に偏る。
葉は2-5個あり、長さ5-12cm、幅2.5-5cmのゆがんだ卵状楕円形で、基部は鞘状で茎を抱き先は鋭くとがる。
花茎は高さ15-30cmでまばらな総状花序に地味な暗紫褐色の花を5-10個つける。苞は長さ1-2mmの3角形、膜質で鋭頭。萼片は長さ5mmの長楕円形で鈍頭。側花弁は線形、鈍頭で萼片と同長。唇弁は蕊柱の基部につき、長さ1cmのくさび状倒卵形で先はへこんで外側に反曲し萼片と同長、中央に浅い溝がある。基部の内面に2個の針状で鋭頭の突起がある。蕊柱は長さ3mmで直立する。葯は広卵形で2室。花粉塊は卵形で黄色。

暖地に生えるユウコクランは、コクランに似ているが高さ20-40cmになり、唇弁の先はへこまず、基部内面の2個の突起はとがらない。
花期:6-8月
分布:本(福島県以南)・四・九・沖
撮影:2016.7.5 神奈川県横須賀市
コクラン-2
一番細いのが側花弁。 2017.6.30 神奈川県横須賀市

コクラン-3
花被片があまり黒っぽくないもの。これから色が濃くなるのか? 2個の花粉塊が見えている。 2017.6.30 神奈川県横須賀市

コクランの葉
葉は卵状楕円形で基部は鞘状に茎を抱く。 2016.7.5 神奈川県横須賀市


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