コガマ

コガマ(ガマ科)[小蒲]

池沼や休耕田、川岸などの浅い水辺に生え、茎は直立し高さ1-1.5mになる雌雄同株の多年草。
根茎は土中を長く横走して広がる。
葉は無毛で軟らかく、長さ50-70cm、幅0.5-1cmの線形で直立し、下部は鞘状となって茎を包む。
茎の先に円柱状の花穂をつける。上部に長さ3-9cmの黄色の雄花群をつけ、その下部に接して長さ5-15cmの雌花群をつける。雄花群と雌花群は離れずにつき、それぞれの花群の基部に早落性の苞がある。花粉は単粒で、ガマのように合着しない。雌花には花柄があり、多数の糸状体の花被が果期に伸長し長毛となる。柱頭はさじ形。
穂は上端が下端に向かって僅かに細くなり、ガマより明るい褐色で、果実が熟すと基部についている長毛によって風を受けて飛んで行く。果実はごく小さい堅果で種子は1個。

この仲間にはほかにガマヒメガマがある。ガマは全体に大きく、丈は1.5-2mで、葉の幅は1-2cmと広い。雌花穂の長さは10-20cm。果穂は上端から下端まで同じ太さ。ただ、コガマとガマは外見では区別が困難なものがあり、花粉粒や柱頭の観察が必要となる。
ヒメガマは雌花穂と雄花穂が緑色の軸をはさんで離れてつく。
花期:7-8月
分布:本(岩手・秋田県以南)・四・九
撮影:2017.8.21 神奈川県三浦市
コガマ-2
2017.8.21 神奈川県三浦市

コガマの綿毛
穂が崩れて湧き出した綿毛。風に乗って運ばれる。 2018.2.9 横浜市緑区

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