コバノフユイチゴ

コバノフユイチゴ(バラ科)[小葉の冬苺]

フユイチゴに似ていて葉が小さいのでこの名があり、 果実が冬に熟すわけではない。葉が円いので別名マルバフユイチゴという。

山地~亜高山帯の湿った林下に生え、高さ5-20cmになる常緑小低木。枝は上向きの細い刺と白毛があり、つる状に地をはい、分枝してところどころで根を下ろして広がる。
北限は青森県で、沿海地では見かけないと書いてある図鑑もあるが、青森県では砂浜に接した林内でも見られる。
葉は互生し、長さ3-8cmの円形~卵状楕円形で先は円く、縁に鈍鋸歯があって基部は心形。両面に白毛が密生し、裏面脈上と葉柄に細い刺がある。葉柄は長さ4-7cm、托葉は長さ7-9mmで細裂し、脱落しない。
本年枝の枝先に直径2cmほどで白色の5弁花を1個上向きにつける。花弁は長さ約1cm、萼片は長さ1.5-2cmの狭卵形で外面の刺状の毛があって細く切れ込みが入る。
果実は直径1cmほどの球形の集合果で、晩夏~秋に赤熟し食べられる。

よく似たフユイチゴは葉が浅く3-5裂すること、刺が少なく褐色の毛が多いこと、果期が冬であることなどの違いがある。
花期:5-7月
分布:本・四・九
撮影:2010.6.19 青森県六ヶ所村
コバノフユイチゴの花
萼片は細く切れ込み、外面に刺状の毛がある。 2010.6.19 青森県六ヶ所村

コバノフユイチゴの果実
果実は球形の集合果で、冬ではなく夏~秋に熟す。 2006.11.3 青森県蓬田村

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