キヌガサソウ

キヌガサソウ(シュロソウ科)[衣笠草]

名は、花披あるいは輪生する葉を古代の貴人に差しかざした衣笠(絹傘)にたとえたもの。
かつてはユリ科エンレイソウ属とされていたが、現在は日本固有属であるキヌガサソウ属(Kinugasa)。ツクバネソウ属とする見解もある。
輪生する葉も大きいが、花も10cm近くのものもある。1株に1つの花しかつけないが、沢沿いや雪渓近くに群をなして咲くので、遠目からでもその存在がわかる。輪生する葉の数が7個以上になると花が咲き、葉の数と花被片の数は一致することが多い。
亜高山帯~高山帯の林縁や湿った草地に生える多年草で、茎は直立し高さ30-80cmになる。地下茎は直径2cmほどでエビ形に湾曲する。
茎の上部に、長さ20-30cm、幅3-8cmの倒卵状楕円形の葉を7-11個輪生する。表面は光沢があり、両面無毛で先は短くとがる。葉柄はない。
葉の中心から長さ3-8cmの花柄を出し、白色~黄白色で直径6-9cmの大輪の花を1個だけつける。花弁状の外花披片(萼片)は、長楕円形~広披針形で7-11個。内花披片(花弁)は白色で、外花被片と同数あり、長さ1-1.5cmの線形であまり目立たない。花被片の色は黄白色からだんだん赤みを帯び、次に淡緑色に変わる。花の中心には花被片とほぼ同数の雄しべ、8-10個の花柱がある。
果実は球形の液果で紫黒色に熟し、方向があり甘酸っぱく、食べられる。
葉の裏面に短毛を密生するものはウラゲキヌガサソウといい、青森県でキヌガサソウとして1か所のみで確認されているのはこのタイプ。キヌガサソウは青森県にはなく、八幡平が北限とされている。
花期:6-8月
分布:本(中部以北の主に日本海側)
撮影:2002.8.1 長野県大町市
キヌガサソウの花


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