キンゴジカ

キンゴジカ(アオイ科)[金午時花]

名はゴジカに似ているが黄色の花をつけることからついたもの。ゴジカは同じアオイ科(旧分類ではアオギリ科)で紅色の花をつける1年草で、花が午の刻(午前11時~午後1時)に開花することからその名がついている。
国内での自生は屋久島以南と小笠原のもので、温暖化が進むにつれて九州・四国・本州の暖地に国内帰化しており、もともと熱帯アジアからの帰化植物である可能性も高いと考えられる。

市街地の道端や草地に生え、高さ0.3-1mになる1年草~多年草。茎はやや硬くよく分枝し、微細な星状毛が生え、しばしば木質化する。
葉は互生し、長さ1-7cm、幅1-3cmの狭卵形~披針形または菱状卵形で縁に鋸歯があり、基部はくさび形で先は鈍形または鋭形。両面に星状毛が生え、特に裏面では密生し白緑色になる。葉柄基部に1対の針状の托葉がある。
葉腋から長さ1-1.5cmの細長い花柄を1個または2-3個束生し、直径1.5-1.7cmの淡黄色の花をつける。花柄には関節がある。萼は長さ5-7mmの広鐘形で10肋があり、先は5裂して裂片は3角形。花弁は5個で渦巻き状にねじれ、基部は濃黄色。雄しべは多数で花糸は合生して筒状。
果実は10個内外の分果で、分果は長さ約3mmで背面に星状毛が多く、先は2片に分かれ、その先にそれぞれ芒がある。1個の分果に1個の種子が入る。

よく似たアメリカキンゴジカは葉の基部は切形~浅い心形。分果が5個であることで10個のキンゴジカと明確に見分けられる。
花期:7-10月
分布:屋久島以南・小笠原諸島
撮影:2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市
キンゴジカ-2
市街地の道端に群生する。 2021.8.6 神奈川県茅ヶ崎市

キンゴジカ-3
花は渦巻き状になる。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市

キンゴジカの花
多数の雄しべが筒状に合生する。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市

キンゴジカの花-2
花柄は長い。萼は5裂して裂片は3角形。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市

キンゴジカの果実
分果が10個ほどあることで5個のアメリカキンゴジカと見分けられる。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市

キンゴジカの葉
茎、花柄、葉に星状毛が生える。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市

キンゴジカの葉-2
葉の裏面に星状毛が密生し、白っぽく見え、細脈は見えない。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市


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