キエビネ

キエビネ(ラン科)[黄海老根]

エビネに近縁だが花が鮮黄色なのでこの名がある。エビネより全体に大きいので別名オオエビネという。乱獲とエビネなどとの交雑により、純粋なものはごくまれになってしまった。絶滅危惧ⅠB類(EN)。

暖地の常緑広葉樹林下に生える地生の多年草。春に偽球茎の腋から新芽を出し、葉と花茎を展開して高さ30-50cmになる。
葉は2-3個つき、長さ20-40cm、幅5-10cmの長楕円形でエビネより幅が広い。
花茎上部に十数個の鮮黄色の花をつける。萼片と花弁は平開し、直径約6cm。萼片は長さ2.2-3.4cm、幅0.7-1.3cmの卵状長楕円形。花弁は萼片よりやや小さく、唇弁は長さ2.5-3.5cmで3深裂し、典型的なものは中裂片が2裂しない。中裂片に縦に3本の隆起条がある。

エビネはキエビネより全体に小型で、葉の幅はキエビネより狭い。唇弁の中裂片の先は明らかに2裂する。しかし、キエビネとエビネの分布域が重なる地方では両種の交雑が進み、純粋なキエビネはまれになったという。そのような雑種をタカネ(ソノエビネ)とよぶ。
花期:4-5月
分布:本(和歌山・山口県など)・四・九
撮影:2005.5.2 埼玉県滑川町(植栽)
キエビネ-2
純粋なキエビネは唇弁の中裂片は2裂しない。 2017.4.28 横浜市緑区(植栽)


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