カントウマムシグサ

カントウマムシグサ(サトイモ科)[関東蝮草]

テンナンショウ属の分類についてはいまだ大きな混乱があるようだ。広い意味のマムシグサを外形で細分するものから大きく1種にまとめるものまであり、自分のように軽い趣味程度に植物を眺めている者にとっては何に従うべきかよく分からず、最も分かりにくい分野の一つだろう。
「改訂新版日本の野生植物」では各形態群を別種または別亜種として区別して記載している(執筆:邑田仁教授)。仏炎苞が緑色のものをカントウマムシグサ、帯紫色~濃紫色のものをムラサキマムシグサとして分ける見解もあるが、仏炎苞の色では区分していない。YListでもムラサキマムシグサはカントウマムシグサの別名扱い。
以下、上記図鑑からカントウマムシグサの項を転載すると、

偽茎は葉柄や花序柄より長く、多くは紫褐色あるいは赤紫色の斑がある。
葉は2個あるいはややまれに1個、7-17(-23)枚の小葉を鳥足状につけ、小葉間の葉軸はよく発達する。小葉の形、大きさとも変異に富み、狭卵形、狭倒卵形、楕円形、長楕円形または広楕円形で、先端は鋭形~鋭尖形、全縁または鋸歯がある。
花序は葉より高く突き出るものからそうでないものまである。仏炎苞は東海地方など本州の暖地では葉よりも早く開くものもあるが、他の地域では葉と同時期またはより遅れて開き、緑色から緑紫色でふつう白条があるか、ときに白条がなく、または帯紫色から濃紫色で、常に白条がある。口辺部はやや開出し、舷部は内面に隆起する細脈がいちじるしく、狭卵形、卵形から広卵形で、鋭頭から鋭尖頭、長鋭尖頭、多くは筒部より短いが、大きさや比率には変異が大きい。付属体は細い棒状から棍棒状、頭状で、上部で太くなるものから細くなるものまで変異がある。

説明は旧版同図鑑の広義マムシグサ(オオマムシグサ、ホソバテンナンショウ、コウライテンナンショウ、ヤマトテンナンショウ、カルイザワテンナンショウ、ヤマジノテンナンショウ、ミクニテンナンショウ、カントウマムシグサ、ムラサキマムシグサ、アオマムシグサ)の記載とほぼ同じで、「何でも当てはまる」とはいわないが、この説明だけでは自分では区別できない。新版の説明に従って区別するのであれば、検索表や個々の種の説明文を熟読して区別していくしかないが、中間的な外形の個体も多いのであまり深入りしないようにしておこう。
花期:4-6月
分布:北・本・四・九
撮影:2004.5.6 群馬県富士見村


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