カミヤツデ

カミヤツデ(ウコギ科)[紙八手]

若い幹の白い髄を乾燥して薄く剥いたものを通草紙(つうそうし)といい、かつて花や水中花、画材として利用したことと葉がヤツデに似ていることからこの名がある。別名ツウダツボクツウソウという。

台湾、中国南部原産で1属1種の常緑低木~小高木で、根茎を伸ばして群落をつくり、幹は直立してほとんど分枝せずに高さ2-7mになる。樹皮は縦に浅く裂け、葉痕が目立つ。暖地以外では冬季に落葉するものが多い。かつて通草紙の原料としてまた庭木として暖地で栽培され、関東地方以西の沿海地の林縁で野生化している。生態系被害防止外来種。
葉は茎の頂端に集まって互生し、直径0.4-1mの巨大な円形で基部は深い心形。掌状に5-12裂し、裂片の先がさらに2浅~中裂し、裂片の縁に浅い鋸歯がある。質は薄く、表面は光沢は弱くてしわが目立ち、裏面は白色の星状毛が密生して白っぽく見える。葉柄は中空で長さ20-80cm、葉芽とともに淡褐色の粉状毛が密生する。
枝先に球形の散形花序を円錐状に多数つけ、淡黄白色の花が咲く。花弁は長さ約2mmで4個。雄しべも4個。花柱は2個。
果実は液果状の核果で、直径約4mmの球形。1-2月に暗赤紫色に熟す。
花期:11-12月
分布:帰化植物
撮影:2020.12.7 神奈川県横須賀市
カミヤツデ-2
伸び始めた花序。 2021.11.4 神奈川県横須賀市

カミヤツデ-3
幹はほとんど分枝せず、頂端に花序をつける。 2020.12.7 神奈川県横須賀市

カミヤツデ-4
球形の花序に淡黄白色の花が多数咲く。 2020.12.7 神奈川県横須賀市

カミヤツデの花
花は4数性。 2020.12.7 神奈川県横須賀市

カミヤツデの葉柄と葉芽
葉柄や葉芽は淡褐色の粉状の毛に被われる。 2020.1.7 神奈川県横須賀市

カミヤツデの葉
掌状の葉の裂片はさらに2裂するのがヤツデとの相違点。 2020.12.7 神奈川県横須賀市

カミヤツデの樹皮
樹皮は縦に浅く裂ける。 2020.1.7 神奈川県横須賀市

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