イタチハギ

イタチハギ(マメ科)[鼬萩]

花序がイタチの尻尾に似ているのでこの名がある。花が黒いことから別名クロバナエンジュという。

大正時代に観賞用に渡来した北アメリカ原産の落葉低木で、幹は灰褐色、高さ2-5mになる。今見られるものは、戦後に砂防用、護岸用などに植えられたものが野生化して広がったもの。林道の法面のほか海岸や河原にも進出し、異臭もあっていかにも外国産という感じの風体ではびこっている。生態系被害防止外来種リスト掲載種(重点対策外来種)であり、日本生態学会が定めた日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。
葉は有柄で互生し、長さ10-30cmの奇数羽状複葉で6-18対の小葉がある。葉柄や葉軸に短毛が生える。小葉は質が薄く、下面に腺点とまばらな毛がある。葉身は長さ1.5-4cmの卵形~長楕円形で全縁、先は微突端。小葉柄基部に線形の小托葉がある。
枝先に6-20cmの総状花序を3-5個出し、暗紫色で長さ5-7mmの花を多数密集してつける。萼は5裂し、最下の裂片は他より細くて長い。花弁は暗紫色の旗弁のみで翼弁と竜骨弁を欠く。旗弁は長さ6-7mmで筒状に巻いて雄しべと雌しべを包む。雄しべは10個、花糸は紫色で基部が合着、葯は橙黄色。雌しべは1個で花柱にまばらな毛がある。
豆果は扁平な長さ0.5-1cmの楕円形で熟しても裂開しない。表面に多数の蜜腺がある。種子は1個あり、長さ約4mm。

花がないとハリエンジュクララに似るが、ハリエンジュは小葉が4-8対で葉に腺点はない。クララは草本で葉に腺点はない。
花期:5-7月
分布:帰化植物
撮影:2005.7.3 青森県十和田市
イタチハギ-2
暗紫色の花が穂状につく。 2001.7.8 青森県十和田市

イタチハギ-3
伸び出した花序。 2021.5.6 横浜市緑区

イタチハギの葉
葉は奇数羽状複葉で小葉の下面に腺点がある。 2021.5.6 横浜市緑区

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