イノモトソウ

イノモトソウ(イノモトソウ科)[井の許草・井口辺草]

名は、井戸端などに生えることからついたもの。

人家近くの日陰の石垣の隙間などに普通に見られる常緑のシダ植物。
根茎は短く横にはい、株状になって単羽状葉を伸ばす。単羽状で羽片も少なく、シダらしくない姿なので名前を覚えやすい。
葉身は光沢がなく質が薄い紙質。胞子葉は両面とも無毛で長く伸び50cmほどになる。羽片は3-7対あって幅5mmほどと細く全縁、ソーラス(胞子嚢群)は羽片の縁に沿って長く連なってつき、裏返った葉片に包まれる(偽包膜)。上部の羽片の基部は中軸の両側に流れ目立った翼となる。栄養葉の長さは胞子葉の半分以下で羽片の数も少なく、縁に細かい鋸歯がある。(上画像で下に垂れた葉が栄養葉。)

オオバノイノモトソウは林下に生え、イノモトソウより大きくて中軸に翼がなく、栄養葉の羽片の幅が広い。
分布:本(東北地方南部以西)・四・九・沖
撮影:2014.7.2 横浜市南区
イノモトソウ-2
胞子葉。 2014.7.2 横浜市南区


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