フッキソウ

フッキソウ(ツゲ科)[富貴草]

名は常緑の葉が茂る様子を家の繁栄にたとえたもの。庭園のグランドカバーとしてよく植栽される。

山地の湿り気のある樹林下に生える雌雄同株の多年草または常緑小低木。茎は肥大生長するが木化することはなく、木本と草本の中間的な性質を有する。根茎は長く横に伸びる。枝は緑色で基部でやや分枝して下部は地をはい、枝を多数立てて群生し高さ20-30cmになる。
葉は立ち上がった茎に輪生状に密に互生する。葉身は深緑色で厚くやや光沢があり、長さ3-8cm、幅2-4cmの卵状楕円形、上半部に1-3対の粗い鋸歯があり下部はくさび形。葉柄は無毛で長さ0.5-2cm。
花は茎頂の長さ3-5cmの穂状花序につく。雄花は多数つき、その下に雌花が5-7個つく。雄花、雌花とも花弁はない。雄花は無柄で萼片は白色~淡緑色で4個。長さ3mmほどの長楕円形で下に淡緑色の苞が数個ある。雄しべは4個で花糸は白色で太く、葯は茶褐色、内向きで長卵形。中央に退化した雌しべが1個ある。雌花はごく短い柄につき長さ1cmほど。萼片は淡緑色で長さ3mmの長卵形で4個。花柱は2個で反曲する。
果実は乳白色で長さ約1cmの卵形の核果。萼片の下に数個の苞がつく。
花期:3-5月
分布:北・本・四・九
撮影:2006.3.24 東京都武蔵野市
フッキソウの雄花
上部に白く太い4個の雄しべをもつ雄花があり、下部に二叉に分かれた雌しべをもつ雌花が見える。 2017.3.30 横浜市緑区

フッキソウの雌花
雌花。 2019.4.3 川崎市宮前区

フッキソウの果実
核果は乳白色。 2003.9.20 秋田県角館町

フッキソウの葉
葉は輪生状に密に互生し、上半部に粗い鋸歯がある。 2017.3.30 横浜市緑区


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