ヒトツバキソチドリ

ヒトツバキソチドリ(ラン科)[木曽千鳥]

キソチドリ(広義)の一型。このサイトでは従来キソチドリとして掲載してきたもので、キソチドリ(広義)とヤマサギソウ群との関係もいまだ明確になっていないようである。

亜高山帯の暗い針葉樹林下に生え、高さ15-30cmになる多年草。
茎は細く、長さ3-6cm、幅1-3cmで卵形~長楕円形のやや光沢がある葉を茎の最下部に1個水平につけ、基部はやや茎を抱く。茎の中部に披針形の鱗片葉を1-2個つける。
茎頂の穂状花序に淡緑色で目立たない花が5-15個つく。萼片3個はやや膜質で背萼片は長さ5mmの狭卵形、側萼片は線状披針形。側花弁は背萼片より長く、先端が細くなり斜め上に伸びる。唇弁は長さ0.6-1cmの広線形で前方に曲がる。距は唇弁よりやや長く、後方に伸びるか前に垂れ下向きに曲がる。

オオキソチドリは北方型で、大きな葉が2-3個つき、丈も30-50cmになるものとされるが、ヒトツバキソチドリとの差異は連続的で区別に迷うものも多いという。
同属のホソバノキソチドリは名前は似ているが、草原に生え、花が10-20個と多く、距も長さが1.2-1.8cmと長いので、見た感じはかなり趣が違う。
ヤマサギソウは、全体により多肉質で、下部の葉は斜開し、唇弁は長さ1-1.5cm、距は長さ1.2-2cmでやや斜め上に伸びる。
花期:7-8月
分布:本(中~西部)・四・九
撮影:2000.7.29 山梨県韮崎市


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