ヒメスイバ

ヒメスイバ(タデ科)[姫酸い葉]

名はスイバに似ていて小型であることからついたもの。

ユーラシア原産の帰化植物で、明治初期に渡来し、道端や荒れ地に普通に見られる雌雄異株でほぼ無毛の1年草または多年草。しばしば低山~亜高山帯に進出している生態系被害防止外来種リスト掲載種。
スイバより小型で茎は細く、直立して多くの枝を分け高さが20-50cmになり、地下に細い根茎を横に伸ばして殖える。しばしば群生し、赤いじゅうたんを敷いたような風景になる。
葉は互生し、根生葉は多数で長い柄があり、長さ2-6cm、幅2-3.5cmの細い鉾形で先は鋭頭または鈍頭、基部は耳状に張り出す。茎葉は数個あり、柄は短く、上部の葉に乳頭状突起があり、最上部の葉は基部が耳状に張り出さない。葉鞘は膜質。
茎頂にまばらな総状花序を円錐状につけ、短い柄のある小さな風媒花をつける。雄花は直径3mmで下向きに咲き、花被片は内花被片3個と外花被片3個、卵形で先は鈍形。雄しべは6個で花被片より長く、葯は黄色で垂れ下がり、花粉を飛ばす。雌花は直径2mm、内花被片は長さ1.5-2mmで赤みを帯び、花後もほぼ発達せず痩果を包み、外花被片は反転しない。花柱は3裂し、柱頭は鮮赤色で房状に裂ける。
果実は長さ約1-1.5mmの3稜形の痩果で紫褐色。残存花被より長く、表面に粒状突起がある。

スイバと同じく茎や葉にシュウ酸を含むので酸味があり、あまり利用されることはないが食用になる。
在来のスイバは、全体に大きく、根生葉は長楕円形、基部は矢じり形で耳状に張り出さない。
花期:5-8月
分布:帰化植物
撮影:2001.6.24 青森県十和田市

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