ヒメコバンソウ

ヒメコバンソウ(イネ科)[姫小判草]

名は、コバンソウに似て小穂が小さいのでついたもの。ココバンソウだと語呂が悪いので「ヒメ」を冠したのだろう。熟した果序を振るとカサカサと音がするのでスズガヤ(鈴茅)の別名がある。

ヨーロッパ原産の帰化植物で、日当りのよい荒れ地や道端などに生え、高さ10-60cmになる1年草。沿海地に多いが内陸にも生えていて、コバンソウほどは多くない印象がある。
渡来はコバンソウよりも古く、江戸時代末期にはすでにあったといわれる。
茎は無毛で軟らかく、基部から直立する。葉鞘は円く無毛、葉舌は白色の膜状で高さ3-7mm。
葉は互生し、長さ3-10cm、幅3-9mmの線状披針形~線形。無毛だが縁と表面はややざらつく。
茎の上部で長さ4-20cmの円錐花序を出し、糸状の細い枝が斜上して先に多数の小穂をぶら下げる。小穂はやや光沢があり、長さ幅とも3-5mmのやや扁平な3角状卵形で石器時代のやじりを思わせる。小花は4-8個、淡緑色から黄褐色に熟す。2個の苞穎はほぼ同形で長さ2-3.5mm、無毛、基部は心形で背面は丸く膨らんだ舟形。護穎は長さ1.5-2.5mm、基部は耳状に張り出す。内穎は護穎の長さの2/3ほど。葯は長さ0.6mm。
果実は穎果。種子は褐色で光沢があり、長さ1mmの卵円形。
花期:5-7月
分布:帰化植物
撮影:2016.5.12 神奈川県横須賀市
ヒメコバンソウ-2
小穂は石器時代のやじりを想起させる形状。 2016.5.12 神奈川県横須賀市

コバンソウに戻る


検索サイトからこのページへ直接お越しの場合は、 トップページへお回りいただきフレームを表示させてください。