ヒメビジョザクラ

ヒメビジョザクラ(クマツヅラ科)[姫美女桜]

名はビジョザクラより小型であることから。別名ヒナビジョザクラという。
ビジョザクラ属(Glandularia)であるが、クマツヅラ属(Verbena)とされたこともあることからバーベナ・テネラの名で流通していて、シュッコンバーベナ(別種)の名でも呼ばれることもあるので注意が必要。
新潟県燕市ではキクやサルビアとともに「市の花」の一つに指定されている。これは合併前の旧吉田町の「町の花」がこの園芸植物だったことからそのまま引き継がれたものと思われる。旧吉田町でどういう理由で園芸植物が町の花になったのかはよく分からない。

南アメリカ原産の多年生の園芸種で、しばしば逸出し各地の道端や日当たりのよい草地で野生化している。茎は上向きの伏毛があり、地をはって節から根を下ろし、立ち上がって高さ20-30cmになる。
葉は対生し、長さ2-4cmの卵形で3全裂して裂片はさらに羽状に深裂し、終裂片は線形。裏面脈上に白色の伏毛がある。
花期は長く、春~秋にわたって茎の先の短い穂状花序にシバザクラやサクラソウによく似た花を密生してつける。花色は青色、桃色、紫色、白色など多彩。萼は筒状で伏毛が生え、萼筒は長さ0.8-1cm、萼裂片は先が針状にとがる。花冠は長さ1-1.5cmの筒形で先が5深裂して平開し、裂片の先端は2浅裂する。花冠直径は約1cm。雄しべはふつう4個。
果実は蒴果。

同じく南アメリカ原産で、昭和52年(1977年)に東京都大井埠頭で採集されたカラクサハナガサ(キレハビジョザクラ)と類似しており、同種の可能性が高いと考えられている。
花期:5-11月
分布:帰化(園芸)植物
撮影:2020.9.11 神奈川県大和市
ヒメビジョザクラの花
花はシバザクラに似る。 2020.9.11 神奈川県大和市

ヒメビジョザクラの花序
茎頂の短い穂状花序に花を密生してつける。 2021.4.1 神奈川県茅ヶ崎市

ヒメビジョザクラの萼
萼は筒状で伏毛が生え、萼裂片は先が針状にとがる。 2021.4.1 神奈川県茅ヶ崎市

ヒメビジョザクラの葉
葉は3全裂してさらに細裂する。 2020.9.11 神奈川県大和市

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