ハンゲショウ

ハンゲショウ(ドクダミ科)[半夏生・半化粧]

名は、通説では暦の七十二候の一つである半夏生(夏至から11日目)の頃に白い葉をつけるためというが、その7月2日頃、東北地方では葉が全く白くなっていないのでどうもピンとこない。異説としては、葉の半分が白いことから「半化粧」といったもの。同じ意味で別名カタシログサ(片白草)という。こちらであれば東北地方でも沖縄県でもどこに住んでいても納得がいく。まあ、名付けるときはそんな不都合は考えないだろうが。

低地の湿地や沼沢地に生え、高さ0.5-1mになる多年草で全体に臭気がある。根茎は白く、水辺を横走する。
葉は互生し、長さ5-15cm、幅4-9cmの長楕円形または卵形で基部は心形、5-7脈があり、葉柄は長さ1-5cmで幅が広く、背面に稜がある。花穂と対生する葉の一部が花時に白くなって昆虫を誘引し、結実すると徐々に緑白色に戻る。托葉は膜質で一部葉柄に合着する。
上部の葉の葉腋から出た長さ10-15cmの花穂に小さな花を総状に多数つけ、基部から順に咲き進み、花穂は初めは垂れているが開花につれて立ち上がる。総苞はない。花序の軸は白色で縮毛がある。花は2-3mmの小花柄がある両性花で、萼も花弁もない裸花。3-5裂した雌しべと6-7個の雄しべからなる。葯は2室、花糸は子房と合着しない。子房は3-5個の離生する心皮からなり、柱頭は花柱の上方内面にある。
果実は球形の袋果状の分果。無毛でいぼ状のしわがある。種子は各心皮に1個ずつ入っている。

同じドクダミ科のドクダミは別属で、花序の下に4個の総苞片がある。
花期:6-8月
分布:本・四・九・沖
撮影:2005.7.30 秋田県能代市
ハンゲショウ-2
葉の一部が花時に白くなる。 2016.6.17 神奈川県横須賀市

ハンゲショウ-3
花は下から咲き進み、花穂は次第に立ち上がる。 2017.7.6 横浜市戸塚区

ハンゲショウの花
花は花弁も萼もなく、3-5裂した雌しべと6-7個の雄しべからなる。花序の軸に白色の縮毛がある。 2018.6.19 神奈川県藤沢市

ハンゲショウの葉
葉の基部は心形。 2018.6.19 神奈川県藤沢市

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