ハナイカリ

ハナイカリ(リンドウ科)[花錨・花碇]

花の形が船の錨に似ているのでこの名がある。余談であるが、かつては石製のいかりを「碇」、鉄製のいかりを「錨」と使い分けていたという。現在では通常「錨」の字を使う。

山地帯~亜高山帯の日当たりのよい草地に生える越年草で、茎は無毛で4稜があり、高さ10-60cmになる。高山ではごく小さく茎は単一で、高原では大きくなりよく枝を分ける。
葉は質が軟らかくほぼ無柄で対生し、長さ2-6cm、幅1-2.5cmの狭楕円形~長卵形で3脈が目立ち、全縁で先はとがる。
花は茎頂と葉腋から数本出た集散花序につく合弁花で、初めは横向きに、のちに上を向く。花冠は淡黄色~黄緑色で直径1.5cm、長さ0.6-1cmの鐘形。先は4中裂し、裂片の下部が線形に長く伸びて四方に開出し、船の錨に似た長さ3-7mmの距となり、そこに蜜をためる。距は初めは白いがのちに赤みを帯びる。雄しべは4個、雌しべの柱頭は2個で板状。萼は4全裂し、裂片は線形で細突起があり、長さは花冠の1/2~2/3。
果実は花冠と同長の披針形の蒴果で2つに裂開する。種子は長さ1mmの楕円形~円形で平滑。
花期:8-9月
分布:北・本・四・九
撮影:2004.8.1 岩手県葛巻町
ハナイカリの花
リンドウ科には珍しく長い距をもつ。 2004.8.1 岩手県葛巻町


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