ハクサンボウフウ

ハクサンボウフウ(セリ科)[白山防風]

名は、白山で発見され、漢方のボウフウに似ていることからついたもの。「白山」の名を冠せられた植物は多く、ほぼ高山植物で20種近くある。「防風」の名がついたものはその上を行き、30種ほどあるのではなかろうか。本種はその両方を組み合わせた輝かしい名をもつが、姿はいたって地味。

亜高山帯~高山帯の雪田周辺など、やや湿って開けた草地に生え、高さ10-50cmになる多年草。
根は太く短く肥厚するので、北海道ではヒグマの格好の餌となる。茎は節に毛があり、中空で直立しあまり枝を分けない。
根生葉は長さ7-18cmで3-5出羽状複葉。小葉はセロリの葉に似て不規則に浅裂し、披針形~広卵形で先はとがり粗い鋸歯があるが、形や大きさは変異が大きい。長さ2-12cmの葉柄があり基部は袋状となって茎を抱く。茎葉は1-4個で上部のものほど小さくなり、柄も短い。
茎頂や枝先に直径2.5-5cmの複散形花序を出し、直径2-3mmの白い5弁花を多数つける。花序の枝は長さ2-5cmで8-15本つく。花弁は内側に曲がる。総苞片と小総苞片は普通はない。
果実は無毛で扁平、長さ0.7-1cm、幅3-4mmの楕円形の分果で縁に狭い翼がある。隆条は細く目立たない。

キレハノハクサンボウフウは、小葉が披針形~狭卵形で鋸歯が深いものをいう。エゾノハクサンボウフウは、日高山地の超塩基性岩地に生え、小葉、小葉の裂片の幅が狭く、先が尾状に長く伸びるもの。分果も幅が狭い。
花がよく似て同じように同じような環境で群生するシラネニンジンは、葉がニンジンのように細かく裂けるので区別できる。
花期:6-8月
分布:北・本(中部地方以北)
撮影:2009.8.2 岩手県一関市

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