ダンドク

ダンドク(カンナ科)[檀特]

名は、インドの花という意味で仏典の檀特山に結びつけたとする説がある。別名アカバナダンドクという。

熱帯アメリカ原産の多年草。江戸時代に園芸用として渡来し、栽培されたものが逸出、一部が暖地の海岸近くの林縁や道端で野生化している。偽茎は高さ1.5-2mになり、多肉質の根茎がある。
葉は互生し、長さ30-45cm、幅15-20cmの楕円形~卵状披針形で無毛、先はとがり基部は次第に狭まり鞘となって茎を包む。中脈は裏面に突き出る。
偽茎の先に総状花序をつけ、長さ5.5-6.5cmの紅色の花をつける。萼片は長楕円形で3個。花弁は紅色、披針形で3個が筒状になり基部で合着。3個の花弁のように見えるのは弁化した仮雄しべで、2個は直立、1個(唇弁)は黄色が入り前部に垂れる。機能する雄しべは1個。子房は下位で突起があり、雌しべは基部が雄しべと合着し柱頭は板状。
果実は直径約3cmの球形の蒴果で、全面に刺状突起がある。中に10-15個、直径約8mmの球形で黒色の光沢がある種子を10-15個入れる。

花は生け花の花材として、種子は黒く硬いので数珠やネックレスに、葉は物を包むのに用いた。
花が黄色のものをキバナダンドク、仮雄しべがより開出し、偽茎、葉縁、若い果実が赤紫色を帯びるものをムラサキダンドクという。明治時代に渡来した園芸種のハナカンナ類は、本種から改良されたもので、白・桃・赤・黄など、さまざまな花色のものがある。
花期:4-11月
分布:帰化植物
撮影:2021.11.4 神奈川県横須賀市
ダンドク-2
2021.11.4 神奈川県横須賀市

ダンドクの花
花弁は3個。弁化した仮雄しべのうち2個は直立、1個(唇弁)は黄色が入り前に垂れる。2021.11.4 神奈川県横須賀市

ダンドクの花-2
機能する雄しべは1個。 2023.5.26 横浜市南区

ダンドクの葉
葉は大きく、長さ40cmほどある。 2021.11.4 神奈川県横須賀市

ダンドクの葉-2
葉の基部は鞘となって茎を包む。 2022.5.30 横浜市南区

ダンドクの果実
果実の全面に刺状突起がある。 2021.11.4 神奈川県横須賀市

ダンドクの果実-2
熟して裂開した蒴果。黒色の種子が見えている。 2022.8.24 横浜市南区


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