ビロードトラノオ

ビロードトラノオ(オオバコ科)[天鵞絨虎の尾]

山地帯~亜高山帯の日当たりのよい斜面の岩場に生え、上部で分枝し高さ40-80cmになる多年草。個体数はきわめて少ない。
エゾルリトラノオより葉の幅が広く鋸歯が鋭くとがり、両面に密に軟毛が生え白く見えるものをビロードトラノオとよんで区別している。
葉は有柄で対生し、長さ5-10cm、幅2.5-5cmの広長卵形で縁に鋭く細かい鋸歯があり、基部は円形で先はややとがるがエゾルリトラノオより鈍い。両面に密に軟毛が生え、白っぽく見える。
茎頂に総状花序を出し、多数の花を密につける。花は有柄。花冠は長さ5mmほどで白色~淡紫色、4深裂し、2個の雄しべは花の外に突き出る。萼は4深裂する。
果実は倒卵形の蒴果。
ネットで画像検索すると野草園で栽培されているものの画像が数点出てくるが、自生のものは今のところこの画像しかないようだ。なぜこの希少な植物が環境省の絶滅危惧種に指定されていないのか不思議。
「山形、(福島)、富山しかない植物」などと誤った情報がネット上にあるが、少なくとも青森県や岩手県にも生育しているのは事実。宮城県や北海道でも見つかったという話も聞いたことがある。とはいえ、生育地はどこでも極限的で、現在の生育地の全てが絶滅の危機にあるといっていいだろう。
なお、同名で濃紫色の園芸種が検索されるが、そういう名前の花卉が出回っているのであろうか。混乱を招くので園芸品に自生種の標準和名と同じ勝手な名前をつけるのはやめてほしいと思う。
花期:6-8月
分布:本(東北・北陸)
撮影:2006.7.下旬 青森県
ビロードトラノオの花
ビロードトラノオの花。

ビロードトラノオの葉
ビロードトラノオの葉。ビロードのような毛が生え、白っぽく見える。

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