アリノトウグサ

アリノトウグサ(アリノトウグサ科)[蟻の塔草]

名は全体を蟻の塔(蟻塚)に、小さな花を蟻にたとえたもの。

日当たりのよい湿った山野に生え、高さ10-30cmになる多年草。造成地にもよく出現する。茎の下部は分枝して地をはい、節からひげ根と茎を出す。茎は4稜形でしばしば赤褐色を帯びる。
葉はやや厚く無毛で対生、上部の葉はときに互生し、長さ0.6-1.2cm、幅0.4-1cmの卵円形で先はとがり基部は円形で縁に低い鈍鋸歯がある。
茎の先に複総状花序をつけ、枝は開出する。黄褐色~紅色で直径3-4mmの小さな花をまばらに下向きにつける。萼筒は倒卵状球形、萼裂片は4個、3角形で長さ約1mm。花弁は4個、萼裂片より長い長楕円形で反り返る。雄しべは8個。柱頭は紅色で羽毛状。花は雄性先熟で、雄しべと花弁が落ちると雌性期となって雌しべが伸び出す。
果実はほぼ球形の核果で8本の筋がある。核は1個。

漢方では全草を解熱、解毒などに用いる。
同属で鹿児島県の馬毛島に特産するナガバアリノトウグサは、葉が広線形で基部は細まる。総状花序は単一で枝を分けない。
花期:7-9月
分布:日本全土
撮影:2005.9.13 青森県横浜町


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