アメリカオニアザミ

アメリカオニアザミ(キク科)[亜米利加鬼薊]

名は、オニアザミに似て刺が鋭く、ヨーロッパ原産だがアメリカからの飼料に混じって入ってきたのでこの名がついた。別名ヒレオニアザミセイヨウオニアザミという。

ヨーロッパ原産の帰化植物で、最初昭和35年(1960年)に北海道で確認・採集され、主に東日本に広がっている。牧草や雑穀の種子と一緒に入ってきたものと考えられている。北海道では勢いがよく、牧場の害草となっている。生態系被害防止外来種。
茎は直立し上部で分枝して高さ0.5-2mになる1年草または越年草。原野や河川敷、道端などに生えるが、ときに人家の庭に生えてくることもある。全体に著しいひれ(翼)があり、ひれには硬く鋭い刺があるのでもちろん素手では扱えず、駆除には革手袋着用が必須となる。
根生葉は羽状に深裂してロゼットをつくるが花時にはない。茎葉は互生、楕円形で不規則に中~深裂し裂片は3-6対、縁と表面に長さ約1mmの刺が密生する。裏面にはクモ毛が生え白色、基部は茎を抱く。
頭花は枝先に1-3個が上向きにつき、総苞は長さ2-4cm、幅3-4cmの長卵形。総苞片は粘らず8-9列、全て線形で先は鋭い刺になって開出~反曲する。総苞外片は長さ1-1.5cm、先端に長さ1-2mmの刺がある。小花は両性で淡紅紫色、長さ3-4cm、裂片は長さ6-8mm、広筒部は長さ約4mm、狭筒部は著しく長く2cm以上ある。花床には長さ1-2cmの白色剛毛状の鱗片がある。
痩果は茶褐色で長さ3-4mm。冠毛は長さ約2cmで羽状に分枝する。種子は1個体から約3,000個もできるという。
花期:6-9月
分布:帰化植物
撮影:2006.7.23 青森県八戸市
アメリカオニアザミの頭花
総苞片は鋭い刺になって開出~反曲する。 2009.7.25 青森県八戸市

アメリカオニアザミの葉
素手では扱えない鋭い刺がある。 2006.7.23 青森県八戸市

アメリカオニアザミの茎のひれ
茎のひれにも鋭い刺がある。 2019.7.24 神奈川県茅ヶ崎市

アメリカオニアザミの果実
ふさふさの冠毛。 2020.7.16 神奈川県茅ヶ崎市


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