アクシバ

アクシバ(ツツジ科)[灰汁芝・青木柴]

名の由来は定説がなく、木を燃やして灰を作り、アク抜きに利用したからとも、若枝が緑色で丈が低いことから青木柴とよんでいたものが転訛したともいわれるが、前者のほうが納得がいく。ヒサカキウバメガシなどもアクシバとよぶ地方があり、同じように灰汁を作ることからきている。

山地帯~亜高山帯の林内に生える落葉低木で、よく分枝して横に広がり高さ0.3-1mになる。
若い枝は無毛、緑色で浅い稜があり、のちに灰黒褐色になる。
葉は互生し、質は厚く、長さ2-8cm、幅1-3cmの卵形~広披針形で、縁は波打ち先端が腺となった細かい鋸歯がある。基部は円形~浅い心形で先は鋭くとがる。表面の脈上にしばしば細毛がまばらにあり、葉裏は無毛でやや白味を帯び、網状脈が目立つ。葉柄はないかごく短い。
葉腋に長さ1-2cmの細長い花柄を出し、淡紅白色の花を下向きに1個ずつつける。蕾は披針形。花冠は長さ0.7-1cmで4深裂し、 同じスノキ属のツルコケモモに似て、裂片が渦巻き状に反り返る。花筒は白色で裂片は淡紅色。8個の雄しべが花外へ突き出る。葯は長い線形で赤褐色、上半部が黄色。花柱は雄しべよりも長く花外へ突き出る。萼筒は筒形で萼片は披針形で4個、先端は鋭くとがる。花柄の基部に線形で早落性の小苞がある。
8-10月に直径7-8mmの赤い球形の液果ができ、僅かに甘みがあり食べられる。種子は長さ1.5mmほど。

中部地方以西には、若い枝や花柄に毛があるケアクシバが分布する。花だけ見るとウリノキがよく似ているが、他人の空似でミズキ科の樹木であり、花はずっと大きい。
花期:6-8月
分布:北・本・四・九
撮影:2001.8.1 長野県大町市

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